五感を刺激するワークスペースに、軽やかな空気を。

東京・神楽坂の住宅街にある閑静な路地に入ると、コーヒースタンドやギャラリーを併設したシェアオフィス「FARO神楽坂」にたどり着く。五感に響く「豊かさ」をもったワークスペースを届けたいと話すのは、ここ神楽坂と青山の2箇所でシェアオフィス「FARO」を運営する「スモールトーキョー」代表の堀遵さん。FARO神楽坂の一角ではCOWAYの空気清浄機「NOBLE」が堀さんの求める豊かさを空気でサポートしている。

「楽しく・豊かに働く」ことをカタチにしたシェアオフィス「FARO」のファウンダーである堀遵さん。同志社大学法学部卒業後、大手商社、外資系半導体メーカーのプロダクトマーケティング、セールスマネージャーを経て、現職。

堀さんは「FARO」を立ち上げたきっかけを、自身が過労で体調を崩したことにあったと振り返る。働くことに楽しみを見出しても、一日の多くを過ごす職場が心地よくなければ心を逼迫させてしまうのではないか。新たな門出とともに新しいことへの挑戦を望んでいた堀さんは、豊かなワークスペースを自身でつくりたいと考えるようになる。「僕自身の能力は限られたものですが、そのためにできることはやってみようと動き始めたんです」。その実現に向け、独学で不動産を学んで土地を取得し、銀行との融資交渉も行った。新築のため、建築家とともにゼロから空間を考え、法規や設備などの問題を一つひとつクリアし、2013年に「FARO青山」を開業する。現在は中目黒に3つめの「FARO」を建設中だが、いずれもブランドコンセプトである「楽しく・豊かに働く」を実現させるために新たな挑戦を続けている。

住宅地の一角にある「FARO神楽坂」。路地の奥を抜けるとコーヒースタンドがあり、その先にオフィスが広がる。

コロナ禍以降、都内におけるシェアオフィスの数は急拡大の一途を辿っている。「FARO」を立ち上げた2013年におよそ60だった都内のシェアオフィス数は、2022年に1000を超えるほどに増加したという。コロナ禍を受けて働き方が変わったことも大きなきっかけではあるが、それ以前から人々のなかで働くことへの意識が変化していたと彼は見る。そのなかで「FARO」は、文化が感じられ、美味しいものがあり、そこに集う人々が魅力的である空間づくりに注力することで他との差別化を図る。


なにより自分自身が楽しめる企画を大切にしたいと、力強く語る堀さん。たとえば、ここ「FARO神楽坂」では、「美味しい食事が楽しめる街で、刺激ある入居者のみなさんと美味しいコーヒーを飲みながら会話を楽しみ、アートのある空間で過ごしたいというイメージ」を最初に思い描いたという。空気の質もまた、そのこだわりに含まれる。

「敷地内にギャラリーを開設するのは初めてだったので、他のギャラリーに照度計をもってお邪魔したことも(笑)。ドアノブ、家具、植栽、壁の絵や写真まで、どれも僕が選んでいます。一緒に働くスタッフや同じ場所を過ごす入居者を思い、その“空気感”を大事にして選んでいるんです。空気清浄機も同じように選んでいます」

施設内の共有空間では、家具などの調度品のほか、アートへのこだわりも見られる。こうしたものの存在が働く時間を豊かにすると堀さんは考える。

現在、堀さんは「FARO神楽坂」に複数台の空気清浄機を置く。そこに新しく加わったのがCOWAYの「NOBLE」だ。いま空気清浄機の存在は、シェアオフィスにおいて欠かせないと堀さんはいう。コロナ禍以前から空気を重視し、空気清浄機を使用していたが、入居者により安心してもらいたいという期待から「NOBLE」の導入を決めた。


堀さんは「NOBLE」が空気の状況に応じて吹き出し口の⾓度を変え、最適な気流を作り出す点に注目。ポップアップ式の天面が気流をコントロールし、そこに表示されているインジケーターの数字とコーナー部のLEDバーの色の違いで空気の「きれい」をリアルタイムに視覚化する点を評価する。

「空気の状況を視覚化することで、入居者のみなさんに安心感を与えられるように期待しています。外からオフィスに戻ると、『空気が気持ちよく、息がしやすい』と感じてもらいたい。そのときにNOBLEのLEDバーが青く光っていると、五感で感じたことを機能に結びつけることができます」

企画展などを定期的に開催する施設内のギャラリー。アートを身近に感じたいという堀さんの思いから立ち上がった。

キャスター付きのため、異なる棟がつらなるシェアオフィス内でも簡単に移動ができる。

「専⽤アプリの『IoCare』を使い、時間帯や曜日による運転の設定や空気質の分析ができるのもうれしいですね。もともと体組成計で毎日身体を測定しているのですが、空気もモニターで状況が視覚化されることで意識が変わります。施設管理の立場ではフィルターの交換時期がわかるのもすごくありがたい。施設内にはエアコン、浄水器、空気清浄機などフィルターメンテナンスが必要な機器が多数ありますから、交換時期を通知してくれるのはとても助かります。そして人と空間を共有するシェアオフィスでは、食事の匂いが気になることも。食事をする人と打合せをする人が共存することもありますから、脱臭性能も重要ですね。2枚追加できるカスタムフィルターは、より優れた消臭効果を期待してダブル脱臭フィルターと、花粉症の僕のようにアレルギー症状の方でも仕事に集中できるようにダストフィルターを選びました。皮肉にも空気の良し悪しを一番実感するのは、花粉症の発症時期なんです……」

天面部分が可動し、気流をコントロール。状況に応じて自動で稼働させることも、自分で角度を変えることもできる。

専用アプリ「IoCare」を使って空気の状況をチェック。フィルター交換などのメンテナンスをスマートフォンで知らせる機能も、管理者として非常にありがたいと堀さんはいう。

以前に外資系メーカーで勤務していた経験からか、スペックシートをしっかり読み込んでいると堀さんは笑う。

「再三になりますが新型コロナウイルス感染症の流行以降、シェアオフィスでも利用者のみなさんが空気に敏感になったのを感じます。NOBLEの機能説明にはインフルエンザウイルスの0.1μmより10倍小さい超微粒子の0.01μmまで除去し、更に殺菌力に優れたUV-C紫外線でファンの中心部まで自動除菌するとあります。フィルターシステムには新型コロナウイルスの除去効果の実証データもあり、機能への信頼感もありますね」

普段は入口正面に「NOBLE」を設置。「光沢のある白ではなく、質感のある表情が空間にマッチしている」と堀さん。

一方で機能とともに、デザインを満たしているということも選びの基準だ。ミニマルなデザインが好きだという堀さんは、「NOBLE」に機能美も見る。

「均等のピッチをもつ側面のルーバーが美しく、操作ボタンや底面にあるキャスターが見えないデザインもシンプルでいいですね。他社にも自動でスイッチのオンオフがされる機種はありますが、自動調光によるLED表示はみたことがない。チップを練り込んだ樹脂の表面はマットな表情で大理石を思わせ、ツヤありの塗装が多い国内メーカーの空気清浄機にはないテクスチャーにデザイナーのこだわりを感じます」

現在は2022年秋に完成予定の「FARO中目黒」にむけ、多忙を極める堀さん。堀さんがいま興味をもつものに溢れた、「楽しく・豊かに働く」場所がもう1つ形づくられることになる。五感に訴える彼の空間には、いつも軽やかな空気が舞い込んでいる。

写真・竹之内祐幸 文・山田泰巨